水戸部七絵
「What color do you see?」
2023年10月28日(土) – 11月15日(水)
THE LOOP GALLERY にて2023年10月28日〜11月15日まで、水戸部七絵 個展「What color do you see?」を開催いたします。
会期前日の10月27日(金) 12時〜18時 にプレビュー、会期初日の10月28日(土) 17時〜20時 にオープニングレセプションを行います。
是非お越しください。
Press Release
この度THE LOOP GALLERYは、2023年10月27日(金)から11月15日(金)まで、水戸部七絵の個展『What color do you see?』を開催いたします。
水戸部は、2022年にオーストリア・ウィーン美術大学に留学しました。これまで「顔」というモチーフを描きながら、人種・セクシュアリティを始めとする社会問題や資本主義的な経済システムに光を当てた作品を制作してきた水戸部は、この留学で、自身の画家としての根幹を探究するようになります。そこで直面したのが「色認識」への疑問でした。
本展では、留学中に取り組んだ、ヨーロッパの人々に好きな色を問うインタビューを通して、自身と他者との間に存在する色彩認識の違いに注目した新作の絵画を展示します。
[Read More]
世界には約4パーセントの確率*で、通常の感覚に加えて別の感覚が付随的に起こる現象を体験している人々がいます。文字や数字に色が付いて見えたり、音を聞くと色が見えたりするこの現象は「共感覚: synesthesia」と呼ばれます。
幼少期からこの共感覚を備える水戸部は、本展で絵画作品のほか、初めて映像作品を発表します。ブラウン管にインタビューの中で収録された音声に合わせてモノクロの字幕が表示されるこの作品では、「音」と「色」 の共感覚を視覚化させることを試みています
水戸部による国境を越えた色認識の探究は、日々多種多様な「色」に囲まれて生活をしている私たちの、他者が持つ感性への興味を掻き立て、新たな対話をもたらすことでしょう。
*諸説あり
Artist Statement
「 What color do you see?」
私は生まれつき、一つ一つの文字や数字に色が見える。
”A”は赤に、”B”は青に見える。
”w” はライトなブルーに見える。 ”h” は白に見える。
“wh” を並べると、白になる。
“White”は意味と言葉が合致していて、白に見える。
近い言葉で、”wine”は白っぽい薄いグリーンになる。
(”n”は赤紫で、”e”は黄色)
私が生まれた日付は、19880702。
7は、シアン #00ffff 、緑がかった明るい水色。
2は、赤みの入った薄いピンク。
1は、青だが1と1を1を2つ並べると白になる。
9は、濃い紫。
8は、黄みがかった緑。
[Read More]
小学生を卒業する際は、図工の授業で記念のオルゴールを制作することになった。
2001年、2は赤、1は青、中央にある0は調和の取れる色にした。
中学生になった時に、英語の最初の授業で初めてアルファベットを学んだ。文字は、Aは赤、Bは青、Cは薄黄色・・数字だけでなく、アルファベットが色に見えた。(そんな状況だったので、英語の最初のテストは3点。算数は4点だったのを覚えている。)
私は大学院に入学し、昨年から今年の春までウィーンに滞在していた。ウィーンは、多様な文化と人種が交差する都市であり、私はこの場所を拠点に異なる背景を持つ人々との出会いと交流を重ねた。そこで、現地の人々に簡単な質問をした。「好きな色はなんですか?」と。
その答えをもとに、私は絵を描くことにした。
さて、本展では、他者が見える色・私自身が見える色について考察する。
絵画制作における色の選択から色と人の関係について、他者の色彩についての感覚や物語を聞きながら、より明快に視覚化する機会を目的とする。
また私自身の共感覚について、分析する。共感覚(シネスシージア synesthesia)とは、「一つの感覚の刺激によって別の知覚が引き起こされる」現象であり、味に形を思い起こしたり、数字や文字に色を感じたりする感覚のことである。私自身は共感覚を持っており、文字や人に色が見え、それは絵画制作にも大きく影響を与えているかもしれない。また、共感覚は、文字の色だけではなく所謂 ”絶対音感” なるものがあり、私自身一度何か曲を聞いただけで、笛などの楽器で音程をそのまま再現することができる。
私は人も色に見えていて、人それぞれの色の違いで判断している。
例えば、白に見える人がいたとして、白だけでも複雑にいろんな色がある。透明感のあるジンクホワイトに見える人、薄いピンクのグラデーションになっている人、チタニウムホワイトのような完全にマットに見える人もいる。オカルトやら占いと間違えられることもあるが、全くそういうわけではなく、ただそう見えるだけなのだ。私が描くポートレートに関連性はあるのだろうか。
出品作品の一つ、初めての映像作品では白黒の文字だけで構成し、声や雑音が流れるシンプルな映像である。しかし、敢えてモノトーンの文字に向き合うことで、色とりどりのイメージや情景が生まれてくる。
自身が留学先のウィーンにて、色について現地の人々にインタビューをした結果を踏まえながら、個々の色彩についての認識を分析する。人を色として捉える自身の営みと、人種と色の関係についての新たな知見・感性を他者と共有していきたい。
出品作品の一つ、初めての映像作品では白黒の文字だけで構成し、声や雑音が流れるシンプルな映像である。しかし、敢えてモノトーンの文字に向き合うことで、色とりどりのイメージや情景が生まれてくる。
自身が留学先のウィーンにて、色について現地の人々にインタビューをした結果を踏まえながら、個々の色彩についての認識を分析する。人を色として捉える自身の営みと、人種と色の関係についての新たな知見・感性を他者と共有していきたい。
水戸部七絵
開催概要
What color do you see?
会期:2023年10月28日(土) – 11月15日(水)
時間:11:00~18:00
休廊日:日、月
公式サイト:https://theloopgallery.jp/ja
オープニングレセプション
2023年10月28日(土) 17時〜20時
会場
THE LOOP GALLERY
〒105-0003 東京都港区西新橋2丁目17−1 八雲ビル 4F